実写とアニメってジャンルは違うが、
どっちも主に、視覚と聴覚から入って物事を伝える表現ですよね。
どっちも映像って呼ばれますが。
とりあえず、これが前提。
映像というメディアでいえば、実写のほうが先発で、
先に技法が開発されてしまったから、それ以降の映像作品には、
ほぼ例外なく、実写における映画の文法が引き継がれ使われ続けてる。
というか、文法って言い方おかしいな。
でもわかりやすいように文法でいいや。
んで、映画の文法ってのは、演出の方法であって、
主に「シーン」と「カット」とかの考え方から、これらを組み合わせることで、
時間の経過、または省略、物語を平行して見せるとか、
いろんな細工が出来るってこと。
これがここでいう、映画の文法ってことで。
方程式と言っていいのかな。モンタージュっていうのか。
この方程式が何のために要るのかっていえば、
視聴者に映像の意味を理解させるためですね。
多分、今に生きてる人は、映像というものに目が慣れてしまって、
それが当然の事だと思い込んでる。
あたかも、それが普段から話している言葉と同じくらい意識してないと思いますよ。
でも、誰でもが普段から見てるアニメでもドラマでもCMでも、
しっかりと映画の文法に則ったルールで作られてるんですよね。
もし好き勝手にやっちゃうとわけの分からない意味不明な映像なる。
呼ばれ方が違うだけで、
実写とアニメの何が違うのかといえば、
それはただ素材が違うだけですね。
これは正直些細なもんです。
いや、軽視はできないし些細な事でもないですが。
つまりどういう事かと言うと、
自分が何を表現したいのか、
何を伝えたいかによって、最適な素材は何か、
どんな手法があるか向いてるのか、しっかり把握する事が大事になるということです。
実写の場合、そのまま撮影しますよね。人とかを。
だから、演技のできる俳優は要りますが、かなり現実味がある、
リアルな演出ができるのが一番大きい点になりますね。
それに対してアニメの場合、実写の事もありますが、
基本的に手書きとかCGとかでやるので、
架空の世界とか表現できますよね。
人物や舞台なんかも自由に設定でき、実質的に制約はゼロに近いところで、
どんな世界でも表現できますね。
これはまあ素材であって、
料理でいえば材料みたいなもんです。
それをいかに美味しく料理していくかが編集で、
編集に使う調理器具は、映画の文法、ってことでおkだと思う。
…でもやっぱ思うのは、
アニメであることを利用したり、アニメだからこそそれに適した作品が、
時代が進むといっしょにどんどん増えてきたこと。
こういう点で住み分けできてるのはいいと思うな。
魔法が出ようが怪物が出ようがロボットがでようが、
作者の持ちうる演出の技法を総動員して演出が上手かったら、
非現実的な世界感でありながら、
現実ではありえないことでも、強烈に説得性をもつ映像作品になったりしますね。
そこはアニメの面白いところです。
あ、この映画の文法ってのを、無視してやる映像作品を、
実験映画って呼ぶのかな。
つか、普通な一般的な人だと、
映画の文法を完全に無視して映像作品を作るのは逆に難しいと思うがw